第4回 院長コラム がんになっても、自宅で過ごすという選択
私は消化器外科医として、これまで多くのがん患者さんを診療してきました。
がんの治療では、手術、抗がん剤、放射線治療など「病気を治すための医療」が中心になります。
しかし、治療が長くなるにつれて、
「できるだけ家で過ごしたい」
「家族と一緒にいたい」
「通院するだけで疲れてしまう」
と話される患者さんも少なくありません。
がんになったからといって、ずっと病院で過ごさなければならないわけではありません。
状態に応じて、がんの痛み(癌性疼痛)や吐き気などの症状を和らげる治療を自宅で行うことができます。必要に応じて点滴や在宅輸血、在宅酸素などを用いることもあります。在宅診療でもできることが多くあります。ご自宅で最後まで看取りたいという意向があれば全力でサポートいたします。
もちろん、すべての検査や治療を自宅で行えるわけではありません。病院での検査や治療を希望されれば、かかりつけや地域の病院と連携することもできます。
その時々の病状と患者さん、ご家族の希望を確認しながら、最も安心できる場所を一緒に考えていけばよいと思っています。
がんと診断されても、その方の人生は続きます。
病気だけを見るのではなく、「これからどのように過ごしたいか」を一緒に考える。
それも在宅医療の大切な役割です。
院長 片桐 敏雄